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小児科医療の厳しい現状とこれから

今回は小児科医の愚痴をお聞きください。

小児科は医療の中の不採算部門トップです。今から記載します内容は、皆さまご存じないことだと思います。

今の医療は国が決めた診療報酬によって我々は収入を得ています。例えば、内科の患者様一人を診察して頂戴する収入額は、小児の場合だと子ども2~3人を診察した時の収入額とほぼ同じなのです。つまり、大人1名と子ども2~3名が同じ収入と言うことになります。そして、小児科の場合はやはり感染症の流行が多い冬場は患者様が多くなるのですが、それ以外の時期の来院患者数は少ないのです。つまり、小児科は夏場は基本的に暇なのです(夏場でもコロナの流行があれば、その時期だけは患者数が多くはなりますが)。今では、1年の1/3が冬で2/3は夏と言うことになります。小児科は冬の忙しい時期に収入を得て、夏場の暇な時期の赤字の穴埋めをしているのが実情なのです。

しかし、冬場に感染症が流行しますと、とても診察希望者全員の診察をすることは不可能となります。親御様からすれば、子どもが発熱をしてしんどいのに診察を受けれないという思いはよく理解できます。しかし、小児科医が多い都会でも、冬場の感染流行時には希望者全員の診療は難しい状況です。そうすると、小児科がもっと多いと全員の診察が可能だと考えられると思います。しかし、説明しましたように、1年の2/3を占める夏場の小児科は暇で赤字経営なのです。とても生計が成り立ちません。

そして、皆さまは信じられないでしょうが、全国の小児科の実に3~4割は赤字経営の状態に陥っています。当院でも苦しい状況なのです。

これが小児科の実情です。

それでは、国はこれからどのようにしようと考えているのかということです。

国は、少子化が進行しているのでこれ以上の小児科医は必要がない、という考えです。来年度から、小児科専門医の数量制限が開始されます。兵庫県でも、小児科専門医の数が100名減らされます。開業医の数も半数くらいに減らす予定です。

この国が考える医療の未来は、先ず、風邪にかかったら薬局でOTC薬を買って様子をみなさい。それでもひどくなるようなら医療機関を受診すればいい、という考えなのです。大変な時代になっていきそうです。

私の考える医療は、田舎にも初期医療を受けることができる診療所があり、迅速な診断とひどい場合には速やかな高次医療機関への転送システムこそがこの国の基本的な医療システムであるべきだと考えます。

希望者全員が診療を受けることが出来る社会は、インフラ整備の基本だろうと思います。皆が安心して生活できるための一つが医療だと思うのです。

私たちは選挙でしか我々の希望を届けることができません。どうも自民党はなにもしてくれそうにありません。かといって野党も大変です。もっといい政治体制になってもらいたいものです。

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