インフルエンザが増えてきました。インフルエンザの予防接種、特に鼻の噴霧式インフルエンザワクチン(フルミスト)の質問を受けますので、再度フルミストの説明をさせて頂きます。
フルミストは生ワクチンですから、その有効性は高いと考えられます。今年10月の日本小児アレルギー学会で演題が出ていましたので紹介します。フルミストには鶏卵蛋白が含有されているのですが、それに関する演題でした。
フルミストを鶏卵アレルギーを有する子供に接種しても問題はなかったという結果でした。その他の副反応として、接種患者の10人に一人の割合で38度以上の発熱がありました。また、熱性けいれんを発症した子どももいました。
子どもにインフルエンザワクチンを接種する目的ですが、第一はインフルエンザ脳症を防ぐことにあります。インフルエンザ脳症は症状が出現した段階ですでに発症していることが多いのです。だから、インフルエンザの治療薬が効かないことになります。そのために低年齢の子どもにはインフルエンザワクチンの接種が必要となるのです。
当院ではフルミストは今の段階では使用しておりません。その理由ですが、フルミストにはゼラチンが含有されています。かつてワクチンにゼラチンが含まれていた時代があります。この時、多くの子どもにゼラチンアレルギーが発症して社会問題となりましたので、国内のメーカーはワクチンにゼラチンを使用することは決してありません。
フルミストは米国製ですからゼラチンが使用されています。アレルギー性鼻炎など鼻の炎症の強い子どもがフルミストを反復使用することで、ゼラチンアレルギーが発症する危険性があるのではないかと危惧しています。それ故、あと3~5年間はフルミストの副反応報告を注意したいと考えています。
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